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Worker and consumer exposure issues  18編


翻訳:藤沢 浩二

1.自動車修理工場でのイソシアネートの職業曝露と呼吸保護器の利用:曝露基準の評価 

緒言:イソシアネートの職業曝露は自動車修理工場など様々なところでの職業喘息の発症と結びついている。

一般的にヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)を含む硬質ポリウレタン(PU)ラッカーは台座や上塗りに用いられている。オランダでは約 20,000人の労働者が各種のイソシアネート関連の仕事で曝露され、潜在的に病気の拡大をもたらしている。

呼吸器保護マスク (RPE) は今日使用される最も重要な予防用具の一つである。この研究は介入研究の基準値測定に役立ち、車体修理労働者のイソシアネート暴露の軽減を目的とした。

この研究の目的は3の部門からなる。

1)詳細な暴露評価と暴露要因の究明

2)呼吸用保護マスクの有効性の評価

3)介入戦略の広範な発展のためのインプット

方法:吸入曝露は、トルエン中にジブチルアミン (DBA) を含む小型impingerを用いての個人の曝露サンプリングよって評価した。

混合、噴霧、ガン洗浄に対する個人の作業ベースでの吸入サンプルは2012年の春から18以上の会社に分け37人の労働者から集めた。サンプルはDBA impingerサンプリングのためのISO17734標準に従って液クロマトグラフィーと連結したマススペクトル(LC-MS/MS)法で分析した。

我々は個人のアンケート調査を通しての詳細な作業により潜在的な曝露決定因子 (換気のタイプと場所、中古品、労働者の噴霧目的への姿勢) と行動および組織的要因についての関連情報を得た。

記述統計は、曝露レベルに関し作業および会社ごとの層別解析について報告書する。曝露と実作業、作業時間、

行動要因(例えば、知識、認識度と姿勢)や組織要因(例えばOSHプログラムへの強い姿勢)との関係は回帰モデルを有効に使うことで決定される。呼吸用保護マスクのレベルは、1-(2-メトキシフェニル)ピペリジン(1,2-MP)で浸漬したガラスファイバーフィルターを詰め込んだカセット呼吸器保護マスクを配置することによって評価した。それは噴霧中およびガン洗浄作業中にアダプターを通し保護マスクの内部と外部での両方についてである。これらのフィルターの測定値は22得た。サンプルは1,2-MP フィルターサンプリング用ISO 16702 標準に従いLC-MS/MSを用い分析した。加えて我々は通称DREAMアプローチ呼ばれる皮膚曝露を調査するためのアンケートで皮膚曝露について示唆する情報を得た。

結果: データセットは 145 の個人の作業ベースのサンプルと 56 のフィルター測定値(28の内側と外側の呼吸保護マスク)が集められた。噴霧塗装は混合やガン洗浄に比較して高い被曝レベルであった。

頻度と濃度の両方において、HDIオリゴマー(例えばisocyanurate, biuret, uretdione)はジイソシアネートと比べ最も主要な化合物である。予備的な結果の概要と介入戦略の最初のアウトラインは、プレゼンテーションを通して提供する。呼吸保護マスクの使用は作業内容に依存すると思われる。そこでは初期分析は保護係数が90%以上と思われる。すべての言及すべき決定要因の可能な効果についての最終結論は会議で発表する。

討論: 我々の分析は曝露決定要因、呼吸用保護マスクおよび皮膚曝露の可能性についての情報を提供し、それは介入戦略の中で具体化されるであろう。この介入戦略は、作業場所での対策の有効性に関する情報として集められ、また曝露管理戦略に関する一般的な知識として加えられるであろう。別のアブストラクトは最終的には我々の介入研究で観察された曝露の変更に基づく健康影響評価を実行するのに使う疾患モデルの開発について述べた。

 

2. 自動車修理・補修工場におけるイソシアネート曝露を減らすための教育と行動介入の有効性:クラスター無作為化比較試験      

研究目的:車体の修理・補修工場におけるイソシアネート曝露の有効な制御と職業喘息を防ぐには、曝露制御戦略の改善が必要である。我々はこの業種においてクラスター無作為化比較試験を行った。主な目的は労働者の知識、態度、自己申告についての教育と行動介入の有効性を評価し、そしてイソシアネート曝露に関しての行動を観察することである。

関連性: この研究は本会議のテーマと高い関連性がある。: 労働者の曝露課題

参加者:14の自動車ボディ ショップから 103人の労働者が、同意書に署名しこの研究に参加した。

この研究はすべてエール大学の倫理委員会で承認された研究および臨床研究の倫理と人権の保護に関するエール大学の規則に従い行った。

方法:参加労働者とショップは、介入グループと対照グループにランダムに割り当てた。介入グループは、最初の 6 カ月間教育訓練とフィードバック行動過程を受けた。曝露関連の知識、態度、自己行動報告の原則的調査がなされ、実際の行動をベースライン時と6、12 ヶ月の行動を観察した。

分析: 2つのテストおよび線形モデリングを使用してデータを分析した。統計的有意性は P < 0.05にセットした。

結果: 労働者の知識と態度は6 ヶ月の期間で、介入グループは [平均的変化 (あるいは改善) スコアが 24]対象グループ(平均的変化スコア 4)と比較して大幅に改善 (p < 0.05)された。自己申告の行動も介入グループ(平均的変化スコア 20) は対照グループ (平均的変化スコア 6)と比較して大幅に改善 (p < 0.05)した。ほとんどの改善は12か月間維持された。

ベースラインにおいて、知識と態度は自己申告行動の予測判断材料であった(p=0.008)。

すべての調査期間で、知識および態度の平均的スコアもまたは自己報告行動と高い相関があった。自己申告行動は観察挙動と深く結びついていた。例として、塗装用呼吸保護マスクの使用の報告で87%以上の労働者に呼吸保護マスク使用が見られた。

結論:教育訓練と行動フィードバックは知識、態度、自己申告を改善し、イソシアネートに曝露される車体労働者の行動を観察した。知識と態度の調査は車体労働者の曝露リスクと行動変化の準備のための潜在的に有用なツールである。フィードバック行動を伴うこの設定されたトレーニングは、教育的介入を超える大きなメリットは加わっていない。

含意: 本調査は、自動車ボディ修理・再生工場での労働者の安全知識・態度・ 自己申告行動改善に効果的な介入要素を示した。この調査結果は安全な作業慣習を増やす助けになる。

資金謝辞: この研究は CDC/NIOSH 助成金R5 R01OH004246の 付与を受けた。

 

3.カナダの作業現場で用いられている気道SensitizersとAsthmagensについての製品安全データシートに関する毒性情報の正確度

目的:作業場危険有害性情報システム(WHMIS) は、関連情報の提供を通し有害物質の健康へ被害からカナダ労働者を保護するための国家危険有害性周知基準である。製品安全データシート (MSDSs) は、労働者が安全使用、取り扱いや有害化学物質の廃棄を決める場合、有害性を知る上での有力な手段の一つである。

職業性喘息 (OA)調査においてのガイドラインと最良の手法は成人発症喘息の研究をするか、あるいはMSDSs関連を含む労働者の曝露のOA評価ができることを臨床医に勧告した。この調査はジイソシアネート(TDI),メチレンジイソシアネート(MDI)とヘキサメチレンジイソシアネー(HDI)用にMSDSに公開されている毒性情報の正確性を調べることである。

デザイン/方法/説明177の MSDSsは130の異なった供給元から選んだ。MSDSs に公開されている危険性情報の正確性の評価には呼吸器感化、喘息、アレルギー性呼吸反応のような評価パラメーターに監査フォーム を使用した。

アウトプット/結果:おもな調査結果は次に示す。

“呼吸器感化”の34/177 MSDSs (19.2%)は間違った報告、一方 “喘息“については73/177 (41.2%)が、”アレルギー性呼吸反応“については93/177 (52.5%)が言及してなかった。

インパクト/ アウトカム/論/影響:この調査はよく認められ増感材でさえたカナダの労働者の安全と健康に悪影響を与える可能性をMSDSs の中での矛盾を明らかにした。調査の結果の強調すべき基本的課題は製造者と労働者の健康と安全の保護を確保するための規制当局に求められる注意の危険性情報開示に関連している。

. MSDSs の中のこれらの薬剤の削除または非開示は職業関連喘息の効果的な診断をするうえでの医療をさまたげる。したがって、MSDS コンプライアンスはカナダの職場での上気道増感剤、asthmagensの安全な使用・取扱いを確保するうえで不可欠である。全国的に調整された執行機関、監視、および供給者と医師の教育は、MSDSs の矛盾に対処するため必要である。そのような行動が結果としてカナダのより安全な職場につながる。

 

4.軟質ポリウレタンホームからのトルエンジイソシアネート(TDI)の消費者への曝露リスクの評価  

種々の消費材のポリウレタン(PU)はジイソシアネートとポリオールから作られるポリマーである。PUフォームは微量のTDIモノマー残存の可能性があり、健康上リスクがあることが示唆されている。この問題に対応するため、PU マットレスで寝ることによってもたらされる暴露シナリオと健康リスクを評価した。非がん性指標のカギとなる毒性基準(すなわち、刺激、感作性、気道への影響) は不確定要素による境界点のずれにより決定した。がん指標は USEPAベンチマーク・ドーズ・ソフトウエアを用い導いた。PUホームからのTDIの事前の移動と排出データの結果は、生涯平均一日皮膚被曝量と同じくTDI皮膚被曝の上限を算出するための従来の曝露要因と統合された。それぞれの非がん性エンドポイントに対し、毒性ベンチマークは安全限界(MOS)を決める曝露計算よって区分された。それは200 (上気道)から 3 x 106 (刺激) の範囲であった。

得られたデータは、TDIは発癌性がないことを示したが、理論的には過剰な癌リスク (1 × 10-7)が計算された。

我々はこの研究からPUの泡のマットレスで寝る消費者にTDIに関連する健康上のリスクはないと結論づけた。

 

5.ウレタン工場におけるトルエンジイソシアネートの曝露作業者のコホート調査: 1年間のフォローアップ

目的:このユニークなコホート調査はルーマニアの近代的なポリウレタン工場における作業所でトルエンジイソシアネート (TDI) 曝露と健康への影響を調べるために開始した。

関連:ポリウレタン製造で使用するイソシアネートは気管支喘息を引き起こす。

管理が改善されたにもかかわらず、作業者は喘息を発症続けている。今まで、作業者のTDI曝露 と健康への影響についての縦断的コホート調査はわずかである。

参加者:対象となった参加者は、2010年と 2011 年の間ルーマニアのポリウレタン フォーム工場で同意した労働者である。調査はルーマニアの被験者審査委員会によって承認されエール大学で行った。

方法:登録された新人労働者は雇用の初期と6ヶ月間ごとにアンケート、肺活量測定、および血清分析を行った。インタビュー形式のアンケートで、TDI曝露と呼吸系および健康全般の変化についての統計上の基準値を査定した。肺活量はFEV1 および FVC測定を行った。

労働者の血清を採取し、ELISA抗体検査はTDI IgG とTDI IgE 抗体を検出するために行った。TDI用の大気の連続モニタリングは作業所内の選択した場所で、工場を開く際に行われた。

分析と結果:最初に登録された49人の労働者の平均年齢39歳、喫煙者28人(57.1%),3人はイソシアネートの曝露歴を持つ。喘息歴の人はなし。ベースラインで、3/42(7.1%)の労働者はFEV1/FVC < 0.75、6か月後6/37(16.2%)の労働者は FEV1/FVC < 0.75で、3/37(8.1%)の労働者のFEVI(努力性肺活量1秒)が減少した。喘息症状はベースラインで3/49(61%)の労働者が、6か月後3/42(7.1%)、1年後1/37(2.7%)確認された。

すべての労働者のTDI特異IgG値はベースラインで陰性であったが、6 ヶ月で1/39(2.6%)の労働者が(1:40 血清力価)を検出した。しかし、一年後すべての労働者が再び陰性であった。

最初の 1年間に、6人が退職した、2人は、フォロー アップを拒否した。TDIは大気レベルで 2.5 ppb 以下であった。肌の露出は評価しなかったが、労働者が頻繁に素手で硬化発泡剤に触れていた。

結論と影響:追跡調査の初期では、近代的なTDI 発泡工場で最初に雇われた49人の労働者のいずれもTDI喘息の確認された例はなかった。

ただし、いくつかの調査結果は、これらの労働者の初期の TDI関連の健康への影響が示唆された。

6 ヶ月で、研究室の一人の労働者が鼻炎型の症状を報告し、TDI (ポジティブな TDI IgG 抗体) に敏感になっていた。ただし、1 年間のフォロー アップで、同じ労働者が人事部で働いたらネガティブのTDI IgG 抗体を持ち、鼻炎型の症状は報告されなかった。

1 年のフォロー アップで1人は、新規の喘息を発症していた。加えて3人の作業者のFEV1は10%以上減少し、2人は新たに気導閉塞になっていた。8人ははっきりした理由なしに辞め、あるいはフォローアップを拒否した。追加フォロー アップは、TDIに対する 感化と喘息の病気発症の危険因子の解明に役立つ。

謝辞: Yale University Occupational and Environmental Medicine and Yale University School of Medicine Office of Student Research.

 

6.トルエンジイソシアネート源近くの地区における曝露と健康調査  

( Toxic Substances and Disease Registry(ATSD):環境有害物質・特定疾病対策庁)

トルエンジイソシアネート(TDI)は、職業性喘息の原因であることはよく知られているが、TDIを排出する施設の近くに住む住民への曝露と健康への影響についてはあまり知られていない。1990年代半ばにノースカロライナ州保健福祉省と環境有害物質・特定疾病対策庁が居住地区におけるTDIの曝露と健康への影響について調査し、いくつかの問題点を指摘した。

横断的研究は TDI 発生源近くの地区住民と3つの変数(①喘息または喘息様呼吸器症状、②TDIに対する特異的な抗体 ③居住地区でのTDIの検出レベルと有病率)との間の潜在的な関係について検討した。ノースカロライナでのTDI施設近くの居住地区 (5つの対象地区)と施設から遠く離れた居住地区(5つの比較地区)の結果を比較した。

全体的に、喘息や喘息様呼吸器症状の有病率は比較居住地区に比べ対象居住地区の方が高かった。(95%信頼区間= 0.97から2.54オッズ比= 1.60)。しかし、この差は統計的に有意とは言えない。有症状率は地区の人口によって大きく変動した。従来から高いTDI 排出施設の近くは、呼吸器症状の有病率が高かった。血液サンプルを提供した351人の1人だけTDI免疫グロブリンG抗体を持っていた。この参加者は対象地区に住んでおり、非職業性曝露の可能性がある。TDI は対象居住地区からの45の大気サンプルのうち1つが非常に低いレベル (1 ppt)のTDIが検出された。1 ppt は、EPA基準濃度の1/10。

全体的にみて、大気サンプルと抗体テスト結果は、直近のあるいは継続的TDIな曝露と一致しない。また参加者の血液サンプルからヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ジイソシアネート抗体についても分析した。対象地区の5人に2人(40%)はジイソシアネート抗体を、比較地区参加者12人中4人(33%)はイソシアネート抗体を持ちジイソシアネートの非職業性曝露と報告された。

これらの曝露源は、スプレーフォーム、デッキシーラント、自動塗装が含まれている。この調査結果はTDI 以外のジイソシアネートと一般集団における呼吸器系の健康状態との関係を調査する必要性を示唆している。

 

7.ポリウレタン スプレー発泡断熱材に関連する症状を持つ家族の症例

関連/研究目的: ポリウレタン(PU)スプレー発泡断熱材は住宅のエネルギー効率を改善のために使用量は増加している。メチレンビフェニルジイソシアネート (MDI)、ポリオール、触媒、発泡剤、難燃剤、および関連の化学物質を含む系は、家屋に使われている。PU フォーム塗布に関連付けられる症状を呈する4家族のケースについて報告する。室内の大気サンプリングや発泡剤の部屋の調査は、特定化学物質と潜在的な健康への影響をより理解するために実施した。

参加者:この調査には室内の関連症状評価のためのエール労働環境医学プログラムから付託された患者が参加した。

方法/分析: 調査対象者と家族の臨床評価には職業上または環境からの曝露歴、身体検査と肺活量検査、および室内での曝露とMSDSシート(製品安全シート)の関連性検査が含まれている。大気サンプルはそれぞれの家で選択した部屋で、また室内に発砲材のある応接室の上部からも得た。大気サンプルは全VOC、アルデヒド、アミン、MDIおよび他の大気中浮遊汚染物質を昇温脱離GC―MASとHPLC-UV法で分析した。

結果: 上気道、粘膜と中枢神経系(CNS)症状、異臭は発砲材の曝露と関連した。居住者は新たな気管支喘息症状あるいはMDI(憂鬱病)への感作は見られなかった。

PU 泡スプレー塗布後、2から20カ月測定した総揮発性有機化合物は高く、勧告レベル以上であった。大気と室内の試料中に確認された特定の化学物質はPUフォーム中の組成であるアミン触媒、シロキサン、発泡剤、難燃剤、アルデヒド類、ポリオールと一致し、塗布後20 ヶ月まで残っていた。浮遊MDI は検出されなかった。

4家族の内3家族は家に戻ることができなかった。

結論/影響: 家庭用PU フォームスプレーは塗布後VOCs、アミン、関連する化学物質は数か月で排出でき、居住者における異臭と症状の持続性は関連づけることができる。残りがどのくらい排出し続けるかは明確ではない

資金と謝辞:この研究はエール大学職業・環境医学プログラムの資金で行った。

 

8.ポリウレタンフォームの水溶抽出物中の芳香族アミンの測定

背景:ポリウレタン(PUR)フォームの製造において最近水を試薬としていられている。水はイソシアネートと反応して炭酸ガスを生成し、混合プロセスを通し、膨らませ拡張セルを作る(PUR)。さらに炭酸ガスの発生は、イソシアネートに相当するアミンを形成する。アミンの大部分はさらにイソシアネートと反応し置換尿素化合物となる。さらにトルエンジアミン(TDA)やメチレンジフェニルアミン(MDA)のような芳香族アミンは、異なったPUR製品からの抽出物中に見つけられる。2,4-TDA と 4,4’-MDAは発がん物質として記載されており、皮膚から容易に吸収する。

目的:この研究の目的は軟質PURフォームから抽出されたアミンや関連化合物の測定法の開発である。抽出されたアミン類に対する抽出パラメーターと異なる誘導体化法の評価を行った。方法は市販の柔軟性発砲(フォーム)を適用した。さらに親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)を用い、フリーの非誘導性派生の芳香族アミンを含む水溶抽出物分析の可能性を検討した。

方法:PURフォームは0.1%(w/v)の酢酸水溶液(HAc)で抽出した。抽出溶液は分析し、芳香族アミンはエチルクロロギ酸エステルと無水ペンタフロロプロピオン誘導体として測定した。分析はLC-MSで行った。抽出された芳香族アミンもまたHILIC と LC-MSを用いてで行った。

結果:内部標準として重水素TDAを用いた。PFPA とEt誘導体に対し 0.01–0.50 g ml−1 (n = 7)の範囲で直線の検量線が得られた。相関係数は0.999以上であった。

検出限界はEt誘導体に対し2pgDTA,PEPAにたいしては0.1pgであった。フォーム抽出溶液中のPFPA誘導体としてのTDA測定での相対標準偏差(R.S.D.)は13%.

PFPA誘導体のLC–MS測定はEt誘導体のLC–MSと比べてより選択性があった。抽出溶液中には2,4-および2,6-TDA、MDAの数種の異性体およびTDA/TDIの2量体が観測された。抽出溶液の加水分解はTDA/TDI

化合物とオリゴマーの大容量希釈と関連した。フォーム中のTDA濃度は抽出媒体、温度、希釈度に影響される。誘導体を作る方法の選択もまたTDAの測定に影響する。

6の異なった市販の柔軟フォームからの抽出溶液中に2,4- と2,6-TDAはそれぞれ0 – 7 and 0 – 6 g g−1の範囲であった。HILIC–MS/MSによるPUR抽出物の分析結果とエチルクロロギ酸エステルと逆相(RP) LC–MS/MSで得られた結果は一致した。柔軟フォームは加熱されたとき高い濃度のTDAが観測された。

結論:PURフォーム抽出溶液中のTDA と MDAの分析はng ml−1で可能であった。市販の柔軟フォームの製造において1 ppm (g g−1)以上の抽出可能なTDA濃度が観測された。相当高濃度の抽出可能TDAはフォームのサンプルを熱したときに見られた。抽出溶液のソフトな加水分解は大容量希釈のTDI/TDA化合物とオリゴマーで明らかにした。

9. ポリウレタン製品のライフサイクル全般にわたってのイソシアネート曝露関連の特性

イソシアネートはクッション、マットレスなどの製品や発泡剤、コーテイング材、接着剤、シール剤やエラストマーのような混合製品を含むポリウレタン(PU)製品の広い分野に用いられている。MDIとTDIに関するEPAの化学アクションプランは通常現場で反応する混合製品に焦点を当てた。製品のライフサイクルを通し作業者、ビル居住者、趣味人、傍観者あるいは消費者は曝露の可能性がある。

PU製品のライフサイクルは一般に化学材料製造;製品化;加工;混合と活用;使用;廃棄処分として特徴づけることができる。PU製品のライフサイクルには熱あるいは製品使用の過程や最終寿命時での劣化も含む。

統一基準セットの使用は、ポリウレタン製品の複雑な性質やさまざまな製品の使用パターンを考えると、曝露の可能性を特徴付ける場所を決める助けとなる。

容易に入手可能な情報を使ってのスクリーニングレベルへのアプローチは、将来のデータニーズに焦点をあて、特別な製品/化学薬品/高い曝露の可能性のある組み合わせに優先的なアプローチへ情報を提供することができる。たとえば、スプレー、加熱、大量使用、高い使用頻度、または日常的に皮膚に接触する製品は高い曝露の可能性があるかないか、考慮すべき可能な総合的な基準リストはポスターに示した。

説明のために情報の次の例は、PU 混合物の暴露評価基準の基礎として役にたつ。例えば、活用方法、製造法と留分の重量、使用量、通常の頻度と使用の継続性、物理的形態、硬化時間、排出プロヒールなど。第三者への暴露がありうるか、日常的な使用あるいは廃棄処分のでの熱分解の役割、典型的な使用法(換気、被服、防護器具)で保護レベルが得られるかどうか、製品との皮膚接触が典型的な使用パターンの一部となっているかどうか、製剤中の他の化学物質の存在が同じように曝露や健康に関係があるかどうかなど定性的情報の追加も考慮することができる。

このポスターの意図は PU 製品の種類とライフサイクルプロセスについての一貫した記述の重要性を説明することである。製品種類全般の情報基準の使用と相まって、曝露をよりよく理解するさらなる追加のデータや情報の重要性を説明することである。他の全般の一定基準の相対的な重要性のような評価は、このアプローチを精査するうえで参考になるであろう。EPA 情報収集機関は有害物質制御法 (TSCA) に提供し、EPA の MDI、TDI 化学行動計画に挙げられる。

大気モニタリング、皮膚に関する研究、チェンバー試験、産業衛生学、疫学、バイオモニタリングなどの曝露の研究は価値がある。このポスターは特定の PU 製品種に関心示す異種の曝露研究の一覧も表示する。

 

10.ゴリラ接着剤の吸入に関する研究

資金公開: 工場委託の研究チーム

目的:メチルビスイソシアネート(MCI)は様々な消費財に使われているイソシアネート類の一種である。

膨張性ポリウレタン接着剤、Gorilla GluseR(gorilla Glie)はポリマーとモノマーのMDI混合物を含み消費者用の防水用接着剤として設計されている。

目的: この研究の目的は、MDIと高分 MDI PMDI ベースの接着剤を消費者が使用したとき、浮遊 MDI 蒸気またはエアロゾル濃度と潜在曝露の関係を調べることである。

方法: Gorilla接着剤を使用時における作業の実践的シミュレーションは消費者が使用する標準的な場合と最悪の場合を想定して、MDI の浮遊濃度を定量的に測定しながら行った。

結論:単量体MDI と PMDI (オリゴマー)の浮遊濃度は、Gorilla Glueを使用の標準の場合と最悪の場合で MDI (mg/m 3) の空気 1 立方メートル当たり 0.0005 ミリグラムで検出限界以下であった。

接着剤の使用量を増加させ表面全体に接着の場合と接着表面全体が以前の状態の接着での (下地材と合板)の場合では浮遊MDI 濃度に影響はなかった。

研究資金謝辞: この研究はGorilla Glue社が資金を提供した。研究計画、実行、データ解析、公表について著者への実質的指示はなかった。

 

11.英国におけるイソシアンネートの生化学的モニタリング

イソシアネートは化学的に活性であり、何千もの労働者がそれらの製造や使用の際曝露されている可能性がある。それらは感作性であり英国の職業的喘息の主要源である。

英国の職場暴露限界(ウェル)1、あるいは全イソシアネートは8時間の加重平均(TWA)で 20 μ g/m (TWA)である。しかし、これは健康基準ではない、雇用者の責任で理想的な低濃度の曝露に削減することだ。米国産業衛生専門家会議は最近トルエンジイソシアネート (TDI)を 7 μ g/m 3 (3.4 μ g/m 3 NCO)に下げることを提案し、皮膚吸収の可能性の表記を追加した。曝露を減らすことでリスクが軽減されるが、このレベルでも呼吸器感作性のリスクが残る (ACGIH 2010) 2.

皮膚への注記とともに呼吸保護器 (RPE)への信頼度は曝露評価と行動を含む有効な対策を立てるために生化学的モニタリング (BM) の必要性を指摘している。

方法:健康と安全研究室はヘキサメチレンジイソシアネート(HDI),トルエンジイソシアネート(TDI),イソフェロンジイソシアネート(IPDI),メチレンジフェニルジイソイアネー(MDI)に生物的モニタリングを用いた。

方法は、曝露3の終わりに集めた尿中での加水分解で生成するヘキサメチレンジアミン(HAD),トルエンジアミン(TDA),イソフェロンジアミン(IPDA)とメチレンジアミン(MDA)を分析のベースにした。

2005 年に、HSE は、生化学的監視指針値 (BMGV) 4 として尿サンプルのイソシアネート誘導体のクレアチニンのジアミン/mol 濃度 1 μmol を提案した。

BMGV は、職場での曝露の調査で収集された 1000以上のサンプルから 90 パーセンのデータに基づいている。BMGV は健康基準ではなく、規制のための調査の引き金になる。

それ以来BM はポリウレタン工場5、6 とペンキの噴霧現場でのイソシアンネート曝露調査に広い範囲で使用されている。 BMは、自動車再生工場7におけるイソシアネートベースの塗装作業者向けの簡単な曝露評価法として活用さられた。曝露評価のBMの有効性は英国の健康と安全局およびSHADによって公布された。 SHADs 後収集されたサンプル、個々の繰り返しサンプルのデータは低いレベルの曝露を示した。BM は今日exposure7 の制御を示す簡単な方法として業界で採用されている。

結論: 露出の評価と実際の規制の有効性を評価するツールとして生化学的モニタリングは有用である。非健康ベースの生化学的モニタリングガイダンス値は、いつでも、どこでも求められる実用的なアプローチである。

 

12.イソシアネート フォーム施設における参加型研究活動からの教訓

目的:イソシアネートの曝露は、小さな自動車部品工場での労働者にとっての最大の関心事である。このプレゼンテーションは、健康と安全委員会の活動とジョイントし、労働者の懸念に対処するための参加型研究活動 (PAR)についての報告である。これらの活動には、化学的解析、技術管理、訓練および個人保護器を含む。

背景:この研究場所は、自動車用発泡体部品の生産で TDI、MDI を使用している。およそ常時 250人の従業員が直接製造にかかわっており、86人はエンジニアリングとマネジメントに関与している。曝露をこうむる幾人かは2001-2002 年労働組合の健康及び安全性の検査官によって特定された。2003 年には、ミシガン大学公衆衛生大学院の研究チームが参加型研究活動 (PAR)方法を用いて調査を始めた。

方法: グループと設備調査は 2003年、2004 年と 2005 年に焦点を当て行った。これらは労使委員会によって指導された。労働者の主な懸念事項が特定されたとき行動計画が進展された。M U 研究者は調査を構成する会議を観察しデータをまとめた。行動計画は3 年間追跡した。施設内倫理委員会はこの研究プロジェクトを監督した。

所見: イソシアネートに係る問題は、健康上の最大の懸念であった。予備アンケートの回答には、空気の質、換気、優先的化学物質への暴露が含まれている。定性的コメントは動機を与える点で非常に良かった。(e.g. “Nobody’s lungs are like they were, before they started working here.” “They have robbed us of good health”).アンケートの質問への回答について傾向を見極めるための調査も行った。

呼吸器症状調査では、10の異なる生産ラインの間で健康への影響レベルで統計的有意差を報告した。(持続性咳F=1.781,sig.058; 胸部圧迫感F=1.879,sig.043)

人間工学にかかわる軟部組織の病症は OSHA300 ログに反映される最重要事項であり、調査では、基本的にこれまで検出されないレベルの呼吸器疾患を示唆した。曝露の問題には、注入工程と徐荷工程での不適切な換気設計が含まれていた。皮膚曝露は、一部硬化製品の徐荷や整形作業を通して確認されまた。維持管理活動の曝露には、鋳型洗浄、注入ノズル洗浄用ヒートが、フィルターの変更、化学物質の貯蔵、一部硬化製品の移動が含まれる。

労働組合からの労働衛生スタッフは有害性物質の特定と局所排気装置の位置と包囲の改善のための設計を提唱した。

資金の謝辞: このプログラムは国立環境健康科学研究所の助成金No.5U45ES006180により実施した。

 

13.イソシアネート用呼吸保護マスクフィルターカートリッジの吸着効率

目的:石油産業で屋外作業場での気候条件は例えば厳冬下と熱帯下で大きく異なる。従って温度や湿度の違いに対応する呼吸保護フィルターのテストが必要になる。

方法:保護マスクフィルターカートリッジは曝露チェンバー中でイソシアネートがコントロールされた雰囲気下に置かれた。

曝露濃度はイソシアン酸(ICA)とメチルイソシアネート(MIC)に対し100-200 ppb (25 oC と35 oC, 48hと 96h, RH 20 と 80%)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)とイソホリンジイソシアネート(IPDI)に対し4-20 ppb (25 oC, 16h と120h, RH 60 と 80%)であった。 ICAとMICは尿素とジメチル尿素の熱分解で発生し続けた。HDIとIPDIは湿った膜を透過することにより発生し続けた。

リアルタイムのモニタリングは、プロトン移動反応質量分析計 (PTR-MS) によって行われ、フィルターカレッジを通過したICA と MICについては誘導試薬としてジ-n-ブチルアミンを用い、impingerフラスコかドライサンプラーで出口で集めた大気サンプルを調べた。それからLC-MS/MSで分析した。HDIとIPDIは加水分解でHDA とIPDAとして保護マスクフィルターの8つの異なった層の中を分析した。HDA と IPDAは無水ペンタフロロプロピオン酸(pentafluoro propionic anhydride)で誘導化体し、LC-MS/MS分析を行った。

結果:ICA と MICは二つのタイプのフィルターで効率よく吸着され、フィルターは高濃度(約 200 ppb、 96 h)にさらされていたが曝露テストの間低下傾向は示さなかった。イソシアネートは限定された中で効率的に吸着された。HDI と IPDIの大部分(>90%)は吸着フィルターの2つの上部層に吸着された。しかし、HDI と IPDIは120時間の曝露で16時間の曝露と比較しさらに保護の下層部まで浸透した。

結論:尿素とジメチル尿素の熱分解は安定したICA と MICの大気濃度で発生し続けることが可能で、PTR-MSはイソシアネートを直接、連続的なモニタリングが可能である。ブレークスルーテストで二つの保護フィルターはICA と MICの高濃度(100-200 ppb)下でのフィルターの予備曝露(48h)でもICAとMICに対し効率よく保護した。暴露されたフィルターからの活性炭はフィルター中のHDI と IPDIの加水分解生成物の測定に有効である。

時間とともにフィルター内部まで浸透する。フィルターは作業時間に関係するHDI と IPDIに対し効率的な吸着濃度があることを示している。

 

13.イソシアネート用呼吸保護マスクフィルターカートリッジの吸着効率

目的:石油産業で屋外作業場での気候条件は例えば厳冬下と熱帯下で大きく異なる。従って温度や湿度の違いに対応する呼吸保護フィルターのテストが必要になる。

方法:保護マスクフィルターカートリッジは曝露チェンバー中でイソシアネートがコントロールされた雰囲気下に置かれた。

曝露濃度はイソシアン酸(ICA)とメチルイソシアネート(MIC)に対し100-200 ppb (25 oC と35 oC, 48hと 96h, RH 20 と 80%)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)とイソホリンジイソシアネート(IPDI)に対し4-20 ppb (25 oC, 16h と120h, RH 60 と 80%)であった。 ICAとMICは尿素とジメチル尿素の熱分解で発生し続けた。HDIとIPDIは湿った膜を透過することにより発生し続けた。

リアルタイムのモニタリングは、プロトン移動反応質量分析計 (PTR-MS) によって行われ、フィルターカレッジを通過したICA と MICについては誘導試薬としてジ-n-ブチルアミンを用い、impingerフラスコかドライサンプラーで出口で集めた大気サンプルを調べた。それからLC-MS/MSで分析した。HDIとIPDIは加水分解でHDA とIPDAとして保護マスクフィルターの8つの異なった層の中を分析した。HDA と IPDAは無水ペンタフロロプロピオン酸(pentafluoro propionic anhydride)で誘導化体し、LC-MS/MS分析を行った。

結果:ICA と MICは二つのタイプのフィルターで効率よく吸着され、フィルターは高濃度(約 200 ppb、 96 h)にさらされていたが曝露テストの間低下傾向は示さなかった。イソシアネートは限定された中で効率的に吸着された。HDI と IPDIの大部分(>90%)は吸着フィルターの2つの上部層に吸着された。しかし、HDI と IPDIは120時間の曝露で16時間の曝露と比較しさらに保護フィルターの下層部まで浸透した。

結論:尿素とジメチル尿素の熱分解は安定したICA と MICの大気濃度で発生し続けることが可能で、PTR-MSはイソシアネートを直接、連続的なモニタリングが可能である。ブレークスルーテストで二つの保護フィルターはICA と MICの高濃度(100-200 ppb)下でのフィルターの予備曝露(48h)でもICAとMICに対し効率よく保護した。暴露されたフィルターからの活性炭はフィルター中のHDI と IPDIの加水分解生成物の測定に有効である。

時間とともにフィルター内部まで浸透する。フィルターは作業時間に関係するHDI と IPDIに対し効率的な吸着濃度があることを示している。

 

14.塗布設備から特定の距離にいるポウレタンスプレイホーム作業者の呼吸ゾーンでの浮遊MDI濃度、スプレイ後のMDIに関するレビュー

ポリウレタンホームスプレイ(SPF)は化学物質の混合と反応によりで断熱材になる。一般的なSPFは“A” と “B”からなり、結合したとき数秒でポリウレタンフォームを形成する。

“A”物質ポリメチレンジイソシアネート(pMDI)はこのポスター発表の焦点である。高分子MDIはほぼ同量のMDIモノマー(predominantly 4,4’-MDI)、化学的に2つの環が結合した構造で高分子量のオリゴマーMDI (3環構造以上)を含む。この論文は進行中の化学物質安全管理作業と公開されている論文に見られる浮遊MDIの作業者曝露モニタリングデータをまとめたものである。ポスターは次の情報が含まれる。

・噴霧作業を通してのSPA塗装工の呼吸ゾーンでの浮遊MDI濃度

・噴霧作業を通しての噴霧装置からの距離と浮遊MDI濃度の関係

・噴霧作業終了後の浮遊MDI濃度

それはSPF噴霧を通して現場での大工、電気屋、配管工などの建設作業者に対し共通している。

その他の建設作業者に対する浮遊MDIの潜在的曝露はよく調べられていない。

このポスターで引用されている大部分のデータは、2009年のCPIポリウレタン学会でMark Spence, Spence Consulting LLC によって発表されたタイトルが“The Current MDI Industrial Hygiene Data on Spray Foam”“スプレイホームにおける最新のMDI工業衛生データ”から引用した。この論文を書くため著者が用いた参考文献リストはアブストラクトに掲載した。

加えて、大気モニタリングデータは、ポスター著者(CPIポリウレタン2012工業学会で発表から)によって完成された最近の化学物質安全管理調査からまとめたものである。

まとめ:スプレイホームについての最近のMDI工業衛生データは次の通り;

・屋内と屋外両方において、SPF 断熱材の装置は気中のMDI 濃度が作業暴露限度 (OEL) を超えた結果をもたらし、人口呼吸器を含む個人保護用具 (PPE) を着用することが作業者に必要である。

• 大気中のMDI 濃度は噴霧装置からの距離とともに急速に減少する。特定の領域で収集した空気モニタリングの結果(例えば、アプリケーターから25フィート、50 フィート)はOELレベル以下である。

・SPF噴霧直後のMDI浮遊濃度はほとんどの場合検出しない。

このポスターの中の情報は現場での他の建設作業者にとって、浮遊MDIの潜在曝露の評価に役立つ。

またSPF噴霧後作業者、居住者がSPF噴霧領域にどの位の時間で再入できるかの決定に有用である。

 

15.スプレーポリウレタンフォーム(SPFI)に用いるジイソシアネートと他のポリウレタン製品の曝露特性

米国環境保護局は発砲ポリウレタンホーム断熱材の設備を通してのイソシアネートの潜在的な有害曝露の評価について他の連邦機関と密に研究している。主要な機能成分としてイソシアネートを含むSPF製品は新規および既存の家屋、学校などの建築物に広く使用されている。

2009年、米連邦代表は我々の重要関心事項の説明と管理目標の制定のためにポリウレタン工業会 (CPI)、スプレー ウレタン発泡業界(SPFA) 個々の化学製品メーカーと会合した。これらの目標は、

1. 正確かつ包括的な危害情報

2. 正確な製品広告やマーケティング

3. 暴露への的確で最良な対応手法の開発と情報交換

4. 暴露評価とデータ ギャップに関する協議対話の促進

;例えば

• ダスト、粒子、または他の基質の皮膚への暴露の可能性

• 適切な測定方法

• イソシアネートの硬化速度と硬化影響要因

• 建物に居住するための安全な再入居時間と居住後の必要な換気に関する勧告

この発表では、4つの目標に焦点を当て、アセスメントの必要性とSPFの使用中の労働者と消費者へのイソシアネートの曝露に関するデータギャップを確認するために連邦政府スタッフの代表者による予備調査の討論について述べる。このグループは、4つの曝露の課題と以下の6つの横断的分野を確認した。

曝露問題

・曝露評価する適切な方法を決定

• SPF 製造におけるイソシアネートの暴露評価

•潜在的な曝露における適用と環境要因評価の変動

• 最小曝露に対する最良の手法確認

曝露評価の予備調査結果とデータギャップ

1、中間時と再入居期間のイソシアネート類の活性能の測定のための標準手法の検証と開発

2.職業者と消費者曝露モニタリング研究の進展、それには塗布後室内にすぐ戻るか、残る可能性のある建設作業者やビル居住者に対する曝露を含む。

調査はDIY 消費者製品の使用を通して、徐々に排出される製品からの曝露を特徴付けるためにも必要である。

3.SPF製造後の硬化速度と安全な再入場時期の理解、硬化後の温度や湿度などの環境因子をいかに考慮するか。

4. 自宅内の製品の長期的な安定性の理解や、保守、改修、解体、処分の活動や火災時に熱や製品の劣化から生成するかもしれない物質の曝露の可能性があるかどうか。

5. イソシアネートの皮膚暴露の可能性の評価。

皮膚曝露の可能性は典型的な産業衛生監視手段で特徴づけられるか、そしてイソシアネート誘発喘息を引き起こすメカニズムにおいて皮膚曝露は何をもたらすか?

6.消費者と作業者のイソシアネートの人的曝露の正確な証拠を示すための最新の生体指標とバイオモニタリングの妥当性。

 

16.医療機器及び製品からのイソシアネートの定量:パイロット研究

研究目的:このパイロット研究はこのパイロット研究、医療機器および新生児集中治療環境の中で使用される製品のメチレン ジフェニル ジイソシアネート (MDI) 種を定量化する。

医療機器や新生児集中治療室で使用される製品は、ポリウレタン、ポリウレタン フォームのコンポーネントを含む。これらのデバイスと製品のイソシアネートの正確な定量は、イソシアネートの潜在的皮膚曝露の評価を可能にする。それは本会議に関連するテーマでもある。

参加者/製品:この研究は人に関するものは含まれていない。製品テストにはWee Peeおむつ、ホームべースのアームボード、新生児用SpO2接着センサー,頭部パッド、幼児用保護メガネ、Z-flo クッション、外傷接着フイルムドレッシング、Wee Specs 光線治療マスクと接着テープを含む。

方法:テスト品目の フォームとイソシアネートを含む疑いのあるパーツは機器のリストから外した。それぞれの機器あるいは製品から2つの小さいピース(~0.5g)をサンプリングし、秤量し、次の標準化されたプロトコル法で抽出した。

ホームタイプのものはガラスシリンジに入れ2E-4M MAPトルエン溶液10mlを注入1分間放置し、フィルターを通しシリンジから抽出した。操作は10回繰り返した。新たに分割した10mlを用いた二番目の抽出を行った。溶液は蒸発乾燥し、1 mLのアセトニトリルを加え再調整し2つの注射器で抽出されたMDI種を分析した。

分析:異性体、トリマー、テトラマー、ペンタマーの化学分析はLC-UV-MS/MSで行った。検出限界は4,4’-MDI に対し25 pg/mL, 2,4’-MDI に対し5 pg/mL トリマーに対し ~1 ng/mL であった。統計的分析において、2つのインジェクションからのMDI異性体定量値(ng)を平均した。二つの抽出からの量は一緒にし、再現性を得るためにサンプル重量(mg)を分割した。二つの再現性濃度はそれぞれの機器または製品のために平均した。」

 結果:合計 13 のデバイス/製品種を分析した。4,4’-MDIの平均濃度(± 標準偏差:SD)は額パッドで 0.0005 (± 0.0001)から、紙おむつ は0.1401 (± 0.1972)の範囲であった。

2,4’-MDIの平均濃度は (± SD は紙おむつ、アームボード、新生児 SpO2 接着センサー (センサー部)、額パッド  0から0.0045であった。その他の機器や製品の4,4’- と 2,4’-MDI両方の平均濃度は範囲内であった。2, 2'-MDI、および MDI の三量体、四量体は検出されなかった

結論:全体としては、4, 4'-2、4'-MDI の種はほとんどすべての医療機器と製品テストを検出されなかったが、濃度が低かった。さらに定量化装置と製品の他のイソシアネートについては進行中です

影響: この研究で医療機器の部品材料や製品から抽出されたイソシアネートについて新しい結果を報告した。MDI 種が検出可能なものの、それは低レベルだが、皮膚を通して吸収され、潜在的な臨床的または長期的な悪影響を及ぼすかどうかは不明であり、影響を評価するさらなる研究が必要である。

 

17.イソシアネート:ビルディングの建設現場用に設計されたスプレイポリウレタンフォーム断熱製品からのメチレンジフェニルジイソシアネート排出量測定のためのASTM標準の開発

このポスターは、ASTM の標準的手法の開発をサポートし、建物の現場対応に用に設計されたスプレー ウレタン (SPF) 断熱材からの潜在的な化学物質の排出を測定する試験研究活動について説明する。

メチレンジフェニル ジイソシアネート (MDI) のような半揮発性有機化合物は従来のテストチェンアバーでは壁に付着する可能性がある。したがって、MDI の回収は小型なマイクロ スケールのチェンバーを用いて評価した。

クロスセル、オープンセル、低圧キット製剤発泡体含む 3つの汎用発泡製剤は微小環境試験室における潜在的な MDI 排出量を調べた。ASTM の標準的な方法は、噴霧、包装および標本作成用に開発された。

この研究からの結論は、室内空気に関する小委員会 D22.05 を通し室内空気質の D22委員会 に追加するASTM 規格の開発の基礎として使用できる。

設置後の室内空気質の評価土同様な居住者や従業員の再入居時間の推薦に有用である。

 

18.米国EPA化学情報収集,暴露アセスメントギャップとリスク管理

2011年EPAはメチレンジフェニルジイソシアネート(MDI),トルエンジイソシアネート(TDI)及び関連するジイソシアネート化合物およびこれらの化学物質を含む製品を使用する消費者等の潜在的暴露に関する化学アクションプランを公表した。これらの計画は,ACT(TSAC:毒性物質規制法)当局の下で検討するであろうジイソシアネートの規制とリスク管理をのリストを作る。TSCAのもと、EPA は重大な副作用 [セクション 8(c)] の疑いのある記録、未発表の保健及び安全性データ [セクション 8(d)] を製造者、輸入業者から収集する権限を持つ。

EPAは、また投書の要求に対し情報提供し企業を召喚し TSCA (セクション 11) 遂行必要なデータを準備し、企業を召喚する権限を持つ。

EPA は、収集する追加のデータが曝露シナリオをより理解し、暴露評価に不可欠な情報のギャップを埋める助けとなり、今後求められる研究分野を確定することに期待する。

TSCAセクション8(e)に従って、化学企業や輸入業者にEPAへの報告を義務づけ、健康や環境への被害の潜在的リスク関連の情報を得る。EPAは業界からイソシアネート化合物に関する多くの情報を得る。

EPA はメーカーや室内で反応、硬化するポリウレタン製品を扱う加工業者に情報要求の送信をも考慮している。

EPAの関心事は、硬化に対する温度、湿度、表面材のタイプなどの影響因子とイソシアネート硬化に関する研究と情報である。この種の情報は消費者、住民、自営業の労働者および他の建物の居住者の適切な入居時にとって良い情報となる。EPAはまたセクション4で消費材の未硬化の必要な暴露モニタリングおよび未硬化ジイソシネートとの使用あるいは排出するような化学工場の代表的な場所でのモニタリング調査のルール作りを始める。この会議で述べた手方は何らかの試験的なルールを提供するうえで重要である。TSCA の下で収集された情報は、消費者、第三者、自営業の労働者に影響を与える複雑なばく露のシナリオを理解するうえでの当局を支援する。この情報はEPAがまだ入手していない消費者や労働者によるポリウレタン製品の潜在的用途を当局に知らせる。潜在的な暴露シナリオと活用は強力な暴露評価を行ううえで当局を支援し、ついてはこれらの化学物質に関するリスク評価に的を絞ったさらなる研究を支援する。このポスターでは、EPA はデータニーズの確認と収集データ収集のためのプロセスと権限について、そして健康および環境リスク管理の実践について述べる。

 

 

 




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