高木基金報告会 2017Jun18 東京 全水道会館

    npovoc研 特定非営利事業活動法人化学物質による大気汚染から健康を守る会

私どもが初めて空気分析器を手に入れて、環境空気の最近の汚染状況を調べ始めたのが2008年でした。それから今まで、高木基金はこれまでの灯台でもあり、舵でもありました。厚くお礼申し上げます。途中2年ほど途切れましたが、ずっと助成していただき研究計画や報告し方のご指導を頂いたお蔭で、今日ご報告するような概念を固めるところまで来られました。

最初の動機は、不燃ごみ圧縮中継所からの大規模で強い毒性被害の広がりを防ぎたかった一心からです。

簡易クロマトグラフを購入して測定し始めたのですが、そもそもそんなチャチな分析方法が役に立つんだろうかという空気の中で、突進しました。

測定の他に文献資料調査と被害調査にも努めました。

4年前から毒性ガス分析器も購入し、昨年度には最新式のも輸入してパワーアップしました。

どの測定器もその場での分析値が連続的に記録できるもので、それまで日本では環境観測に使った例がない物でした。今もまだ、私共のような全体像と毒性物質を合わせて連続的に環境測定している例はありません。

研究を続けてきた結果、確信するまでになったのは、現在の日本の空気汚染は大方の研究者が課題にしていないイソシアネート類という化合物が最大の問題であるということです。

恐るべきことに、爆発的に用途が増えてきました。 昨年田植えシーズンにはじめて室内には普段ないイソシアネートのかってない濃度が表示され続きました。

今年は、この測定結果のように、早朝の農作業時間に去年より高濃度のイソシアネートが記録されました。周辺を田圃で囲まれた高台の住宅地の窓辺です。

農薬を効果的に長持ちさせたいと、イソシアネートを利用したポリマーで加工していることを知りました。

昨年あたりから、トウモロコシ澱粉分子をイソシアネートで繋いだポリマーにしてに澱粉分子の穴に農薬を詰めて、ミクロン程度の微かい粉に仕上げる新技術で作り始めたので、広範囲に、長期間、飛で来るようになったのです。

同じ技術は、柔軟材にも、消臭剤にも、香り付きのトイレ用品にも繊維加工にも、身の回りの日用品に広く、使われています

これは、東京近郊の電車の中で計った時の記録で、赤い棒はイソシアネートの濃度ppbです。

青い棒は、揮発性有機化合物の合計濃度ppmです。電車の中でもあるのです。柔軟剤がにおう住宅団地では、TVOCは低いけれどもイソシアネートはあるのです。

イソシアネートの作業環境管理濃度は、アメリカ職業安全衛生協会ACGIHで0.001ppm、すなわち 1ppb と決められましたから、居住環境というのに、作業環境の規制値をすら超えることもあり、そこらじゅうにある、しかし、

測定器が日本にはほとんど輸入されて居なくて測定しないから、知らぬが仏で、臭いでわかる香料に伴う場合に、香料が苦しい・香料止めてくれ、という人が続出しているのです。

香料のリモネンやピネンも名指して禁止してくれというけれども、それらミカンや木の香りで毒性がずっと小さく。ミカン売るな、林と森をなくせ、と同じこといても解決されるはずなく、本当の原因、イソシアネートがにおわずに隠れていることに気づかせなくてはならないのです。

さて、2016に行われたアメリカ産業衛生会AIHceのイソシアネート安全教育資料を中心に整理しました。2013年のイソシアネートの環境と健康に関する国際会議文献を踏まえた多面的な安全対策情報を総まとめにしたようなものです。

イソシアネートとは、窒素・炭素・酸素 がひとつづつ結ばれた原子の塊・特性基、 NCOと書くものを持つ化合物のことです。

それが1個つくのはモノイソシアネートでこんな風にいろいろな種類もあります。 2個つくのはジイソシアネートで、こんな種類もあります。3個以上つくのはポリイソシアネートと言います。こんなポリイソシアネートもあります。 モノマーが2個以上100個ぐらいまで、結びついたものをオリゴマーと言います。更に沢山結びつくとポリマーと言います。結びつきにアルコールを挟むとウレタンになります。ウレタンになっても、まだイソシアネートが残ることもあります。

イソシアネートの単分子モノマーはいくらでも新しく作り出すことが出来ます。

それらは全部毒性が同じです。 毒性は NCOの毒性基のせいなのですから。

しかし、全体の形が違えば物理的な性質は違うので、硬いもの、液体製品、ゴム製品までいろいろな性質のものが開発出来て便利なのです。

蛇足ですが、ネオニコチノイドはニコチンと合成出発は共通しても、共通な毒性部分が見つかりません。イソシアネートの場合と違って、分子構造の共通性がない通称に過ぎないから、ニコチンと同様に神経毒性強い筈だという一部の医者の主張は、化学の学会では受け入れられていません。ネオニコチノイドはそれぞれ毒性が違います。

イソシアネートモノマーの物理的性質です。

室温では液体のものが多いです。200以下で分解します。

固体のもこの中に2つありますが、少し気温が上がると 液体になります。固体でも蒸発しないわけではありません。

青く書いたのはモノイソシアネートで、非常に蒸発しやすくて危険です。

 

 

イソシアネートとイソシアネートポリマーは、

このように 様々な形で、幅広く用途が広がっています。ポリウレタン以外のポリマー材料にさえ、イソシアネートが含まれています。

近頃の身のまわりには、イソシアネートが関係しない製品の方が少ないぐらいです。

ですから、工場に限らず、日常生活の中に、また、廃棄された後の廃棄物処理場でイソシアネート空気汚染とそれによる健康被害が広がっているのです。

 イソシアネートは、職業性喘息の主原因の3つのうちの一つです。後の二つは小麦と木くずの粉塵です。化学物質としてはイソシアネートだけが突出して喘息になり易いのです。  職場の1%~~20%、実に5人に1人が喘息になったところもありました。 主に、呼吸で吸い込みます。皮膚からは少量ですが、蒸発しないものに触っても入り込みます。匂いが無いので、臭うかどうかでは防げません。   1回だけ暴露した時の急性症状は、24時間以内に咳、ゼイゼイ喉が鳴り、呼吸困難の酸素不足になります。

 3か月以上繰り返すと、慢性になって喘息が悪くなります。

喘息になる前の軽い時は、先ず、空気の通り道で炎症が起きます。

鼻と喉がちょっと刺激された感じ。

重い時はもっと中の気管支まで酷い刺激と、胸の締付感と呼吸困難が起きます。

皮膚は、接触皮膚炎が起きます。 動物実験では、皮膚からの吸収でも、喘息が起きました。   目が熱い感じや、涙がにじんだり、結膜炎になったりします。私は、涙がつつーっと流れて、翌朝涙の通り道に芥子粒ほどの痛い粒粒が並んで出来ました。  鼻の中にも刺激と炎症が起きて、鼻が詰まったり鼻水が出たり、喉の方に鼻が流れたりします。  こういう症状は、一緒にある汚染物質によっても影響されて変わります。

過敏性肺臓炎にまで進むと、インフルエンザの時のような、疲労感、関節の痛み、発熱、気分悪さ、咳、等が現れます。

 1日か2日きれいな空気のところで休むと回復しますが、汚染環境が続くと慢性になります。

イソシアネートは体内で蛋白質と結びついてアレルギーの引き金になります。

イソシアネートで一度アレルギーになると、繰り返してアレルギー症状が起きやすくなります。 アレルギー反応は、吸収した直後からとか、数時間してからとか、直後に症状が出て収まったと思ったら数時間後にまた発症することもあります。

 とても低い濃度でも発症します。

職場が原因だと休暇で回復するので原因が分かりますが、地域に原因があるとわかり難いです。

過敏性肺臓炎にまで進むと、インフルエンザの時のような、疲労感、関節の痛み、発熱、気分悪さ、咳、等が現れます。

 1日か2日きれいな空気のところで休むと回復しますが、汚染環境が続くと慢性になります。

イソシアネートは体内で蛋白質と結びついてアレルギーの引き金になります。

イソシアネートで一度アレルギーになると、繰り返してアレルギー症状が起きやすくなります。 アレルギー反応は、吸収した直後からとか、数時間してからとか、直後に症状が出て収まったと思ったら数時間後にまた発症することもあります。

 とても低い濃度でも発症します。

職場が原因だと休暇で回復するので原因が分かりますが、地域に原因があるとわかり難いです。

 

イソシアネートの環境汚染が続いて、さらに過敏になった人は、イライラしやすくて、普通にあるごく薄い他の物質でも喘息が起切るようになり、お終いには治らない肺臓障害になって死ぬこともあります。

イソシアネートでの喘息が悪くなると、肺に刺激があるようなどんな物質にでも過敏になって喘息を起こすようになります。

他のアレルギー物質にも過敏になっています。

家に帰っても、モノマーやオリゴマーを呼吸器や皮膚から吸収しないように注意しないといけません。

また、イソシアネートを混ぜてある製品には、決して触れてはなりません。

診断は、普通のアレルギー血清反応デハわからないことが多いです。新しいいろいろな検査方法が研究されていますが、まだ確実ではありません。

肺機能や皮膚などが、以前と比べてどうかなど詳しく調べます。

 

イソシアネートがどのくらい強い毒物かということを、規制濃度で較べてみました。 作業環境管理濃度を青で、 シックハウス指針とを茶色で書きました。

 枠だけの白いのは、作業環境と室内汚染の平均比率から推定したものです。

目盛は対数で、1目盛り10倍ずつの階段です。

トルエンが健康影響する濃度に比べて、イソシアネート類は、1万分の1ないし5万分の1のうすさで、健康影響が始まります。

(日本では、化学物質過敏症やシックハウスはアレルギーより低い濃度で始まるとされていますが、欧米ではイソシアネートでアレルギーが起る濃度は0.00007ppmと地域環境基準値にしていますが、トルエンやホルムアルデヒドシックハウス濃度より1万倍も薄くて、日本の化学物質過敏症定義と矛盾しています。)

こういう物が、現在の日本の大気には広くいろいろな発生源で検出されているのを、お知らせしないわけにはいきません。



幾つかの化合物が一緒にある時に、合計して安全な濃度を計算する式があります。分析値の合計濃度TVOCなんかでは通用しません。

安全情報書SDSで掲載義務がある最低濃度のイソシアネートを1%溶かしたトルエンに塗料では、トルエン濃度がどれだけになったら有害になるでしょうか、計算してみましょう。ACGIHの作業環境管理濃度(週40時間以内、1日以上休日の1日平均濃度)では平均濃度TWAで、トルエン50ppm、イソシアネート0.001ppmですから、他に混入物がない場合には次の式になります。トルエン濃度をNxとして、

 1=(Nx÷50+0.01Nx÷0.001)=Nx0.0210

Nx1÷10.02 0.1  という結果。 

トルエンが純粋な時には50ppmまでよいけれども、イソシアネートが1%混合している時にはトルエンが0.1ppm超えてはいけないということになります。これは世界中で周知の公式で、厚労省のホームページでも説明してあります。

これは作業環境の管理濃度なので、地域環境や室内環境では2桁ないし3桁低い濃度の0.001ppmのトルエン濃度が検出されても危険信号と考えられます。

 交渉や裁判や公調委で空気汚染の有害性を立証する時に、この加算の法則を忘れないようにしましょう。これは世界中で周知の公式で、厚労省のホームページでも説明してあります(わかり難い書き方ですけれども)。)

大気中では、どのくらいの間 消えないでしょうか?

イソシアネートは水と反応しやすくて、変質するからすぐ消えてしまうに違いない、心配ないのでは、という自称化学物質過敏症の化学専門家の反応エネルギー計算式Webページがあります。柔軟剤等の香りを実用的な製品にするためにイソシアネートでマイクロカプセルにして、繊維に付着して水で流されないようにしてありますが、それが危険だと言われるのは化学研究室にとって迷惑だから、化学の素人のくせにこれ以上書かないでくれというのです。

実際の大気中ではどうなのか、環境省が出していた化学物質ファクトシートの、環境中での運命 というのを読み集めてみて、半減期をまとめたグラフにしてみました。

赤線を引いたイソシアネート類は、紫線を引いたアルデヒド類と同じくらいの寿命です。

オレンジ線のケトンよりずっと長く大気中に残っているのです。

これは、大気中での存在の形にも影響されているのかもしれません。

これは、大気中での存在の形にも影響されているのかもしれません。

・発生仕方で、空気中での種類や形態が様々変わり、形態によって健康影響も変わります。

イソシアネートを吸い込むことがある作業は、 加熱したり、吹き付けたり、掻き混ぜたり、磨いたり、砂をかけたり、等の使い方です。

皮膚に触れる作業は、液体で洗う、型に流し込む、不完全な重合での成型、用具の洗浄、等です。

手で触る室内のドアノブや電話機、キーボード、作業着、吹付け塗装した道具や壁、などがイソシアネートで汚されていることもあります。作業所で食事したり、口紅などの化粧をしたり、イソシアネートの傍でタバコを吸ってはいけません。

作業の種類によって、空気中でのイソシアネートの形態はいろいろです。

モノマーが蒸気になっている時ばかりでなく、オリゴマーや霧や固体粒子になっているのが多いです。

イソシアネートも200足らずで分解しますが、ポリウレタンポリマ-分子はもっと低い温度でも分解して千切れ千切れの短いイソシアネート分子に分かれます。

いろいろな長さの、ただしイソシアネート基が1つ以上着いた、様々な違った種類のイソシアネート分子が多数発生します。

環境中のイソシアネートがどのようにあるのかを分析で調べることは、その環境が安全かどうか、どのような対策をとったらよいか、ということを見定めるのに必要です。

イソシアネートは、非常に反応しやすいので分析操作中に消えないように工夫が要ります。また非常に薄くても有害ですから、ごく薄いものでも計れなくてはなりません。

その上、モノマーばかりかオリゴマーだと、分析結果を確かめるのに必要な純粋な標準試料がありません。オリゴマーの種類も多いので、それぞれを分析することはほとんど不可能です。

 そんなイソシアネートの事情から、精密分析でなくて現場で直接分析する方法が、簡単だけれども実際には役に立つ、精密な実験室での分析でなくて良いじゃないかと広く受け入れられられるようになりました。最低0.0004ppmという非常に低濃度まで数字で記録し、それ以下は紙の変色でも表示します。イソシアネートの種類や形態に関係なく、イソシアネート基の全合計のうどTRIGを計って評価しています。 英国、アイルランド、オーストリア、カリフォルニアでの作業環境規制は、平均で0.005ppmACGIHでは0.001ppmですから、十分それは計れます。地域環境ではその計測器の数字で示すより1ケタ低い0.00007ppmが指針値で、そこまで薄い時には数字では正確に示されませんが、試薬テープの着色で存在を確かめることが出来ます。

2つが、VOC研が輸入した毒性ガスのテープ式分析器です。

継続測定に使い、柔軟剤や農薬雰囲気からイソシアネートを検出したのも、世界的に定評ある毒性気体直読分析器の代表的なものです。 左上の昨年度購入した新機種は日本で輸入した1号機です。

VOC研で使った分析器は、この4種で全部です。

2つが、揮発性有機物全体の分析器です。

2つは昨年度に新たに購入したものです。

右下の1つ以外の3つは、いずれも輸入したものです。

この図は、イソシアネート対策に取り組んでいるアメリカの組織です。

北米の取り組みだけですが、こんなにいろいろな公的機関が、いろいろな観点でイソシアネートの健康被害を防ごうと躍起になって対策に努力している最中です。

政府機関の環境局・労働安全衛生局・保健福祉局・労働安全衛生研究所・各州の役所消費者安全委員会・防衛庁をはじめ、産業界の衛生専門家会議等も率先して対策を強めています。

1つだけカナダについて書いてありますが、カナダが1つだからと言ってイソシアネートに後れを取っているわけではありません。

 カナダでは、揮発し難いMDIさえも、その毒性情報によって国内では製造されていない。わずかに輸入されているのでその取扱い規制をしているということです。

ヨーロッパとオーストラリアでは、米国より先にイソシアネート対策に懸命に取り組み、分析方法に全種イソシアネート基合計濃度での分析評価で規制しています。

そのそれぞれが取り組んでいるイソシアネート対策は、単に労働環境規制値を検討するというような通り一遍の方法でなく、非常に毒なものと考えて、地域生活環境の規制も始まっています。

強い過敏性の定義をきめたところもあります。

毒性が弱いものに変えていくことを指導して、既にイソシアネートを使わなくても優れた性能の製品を開発した例も出ています。

国家的なイソシアネート対策は、欧米だけでなく、東南アジアの国でも、欧米に準じた分析技術の採用や、流通日用製品の分析による汚染抑制など、日本より進んでいます。

日本は何もしていない。分析法も持たないで、調べようもないのに環境にある筈

ないと高をくくっている危険な国です。

日本では、近年の化学物質被害はこのようにありました。学物質被害の先進国ですが、未だに、その教訓が生かされず、世界での対策状況にも無関心で、汚染実態調査手段も整えずに、欧米に40年ほども遅れているのに今なお無自覚です。

 

その例として、PCBの輸入が許可されたのは、世界中で使用禁止が始まる少し前で、世界的な規制が検討されていた最中でした。輸入されてからPCBの多様な有用さで用途が急速に広がり、信越化学では製造工場を建てましたが、そのわずか1年後に世界中での流通禁止となりました。工業会では、PCBを利用して開発したばかりの性能の良い製品が売り出したばかりで販売停止され、代わりの製品に材料を選び出すのに困り果てていました。例えば電車や自動車のブレーキ、コピー用のカーボン紙、生産機械や自動車やパンタグラフの潤滑油などです。1日も欠かすことが出来ないそれらの用途に最高性能であったそれと同等な性能の材料を新しく急に作り出すのは至難のことでした。

 もしも環境行政と工業行政が他国と同等に、国際的な化学物質有害性管理の情報を把握していたら、日本の工業会はあんなに困った事態にはならなかったでしょう。

  

この頃、多くの消費者とその周辺の市民が著しい被害を訴え始めた製品に香料つきの柔軟剤があります。 被害者は、香りが苦しい、香りを薄くしてくれ、香りのない製品にしてくれ、香りが毒だ、と言っていますが、調べてみると香りが長く続くことをセールスポイントにしてあり、香料を長持ちさせる製造方法としてイソシアネート利用のマイクロカプセルやシクロデキストリン・イソシアネートポリマ-徐放剤を利用していることが文献資料と輸入した直読式分析器(NIOSHやAIHceで推薦のハネウェル社新製品)での検査で確認されました。消臭ジェルにもイソシアネートを基剤に使っているとの文献がありました。 マイクロカプセルや包接剤などの徐放技術は一般にはイソシアネートでなくても作成できますが、柔軟剤のように洗濯機での使用中や乾燥、着用で取れ落ちては効果がありませんから、強く接着する性質もあるように、イソシアネートが便利なのでしょう。 植物成長促進剤にマイクロカプセルで効率を高める製品無害化にイソシアネート以外のポリマー原料を使用する製品特許の実験結果として、イソシアネートで作成したマイクロカプセルおよびイソシアネートを含むであろう一般市販製品で苗の生育を較べた所、イソシアネートを含まない特許製品使用および何も使用しない場合には苗は故障なく育ちましたが、イソシアネートで試作したものおよび市販成長量促進剤を使用した場合には苗の生育異常や奇形が多発した実験結果が示されています。 柔軟剤香料や植物成長促進農薬に限らず、目的成分の効果を持続されるために、イソシアネートを利用した徐放技術は最先端の製品開発技術として、広範な種類の製品に流行しています。

 しかも、イソシアネートの分析が困難で、毒性がある状態で製品になっているかどうかの確かめが不十分なのです。日本において可能な分析技術が普及していませんから。感度が悪い分析方法だったり、全種類のイソシアネートが検出できない方法だったり、2分子いじょうの形態のイソシアネートは検出できない方法だったりして、高価で精密な分析技術でも日本では有害なイソシアネートがあるかどうかさえ分析で確かめられないのです。実用的で有害なイソシアネートの有無が確かめられる定評ある簡便な分析器の輸入、または国内開発品の普及で、環境の安全性を確かめ、環境無害化対策をすることが急務です。


イソシアネートはアレルギー毒性で、毎日扱う作業者でも、数年たってから免疫的な反応が現れることも少なくないものです。今既にかなりの日本人がイソシアネートを含む空気で、それとは知らずに、香り成分だとか単なる農薬だとか言いながら、重症になって働くことも出来ず、理解ある医療も受けられずに苦しんでいます。子供たちの喘息患者も増え続けています。このままでは、日本人は、武力によらずとも間もなく滅亡するでしょう。化学物質を売って儲け、病気になれば医薬品で儲け、医療保険で儲ける対象から逃れるには、私たち市民が、科学的な知識や情報を獲得することが必要なのです。

高木仁三郎市民科学基金の役割が大きい時代になりました。お力添え有難うございました。